矯正症例61 骨格性下顎前突 叢生
患者データ
診断名:骨格性下顎前突、叢生。治療開始年齢21歳 3か月。抜歯部位:上顎左右4番、下顎左右5番 。治療装置:上顎ベッグブラケット、下顎KBTマルチブラケットシステム。
治療期間2年8か月 来院回数43回 治療費総額77万円(税別)


上顎犬歯の歯肉が退縮しているのは避けられないことです。八重歯なので頬側の皮質骨がそもそもなかったのです。左の大臼歯の噛みが甘いですが、上顎の機能咬頭はしっかりと噛んでいます。時間が経てば頬側咬頭も咬むようになります。
上顎第一大臼歯のモンソンカーブを平らにしませんでした。下顎第一大臼歯は2度ほど舌側に傾斜させています。下顎の2度舌側傾斜は許せるとして、上顎第一大臼歯の頬側傾斜をヘタクソという方がいると思います。
そういう方は骨格性下顎前突の治療経験が少ない方です。骨格性下顎前突の治療においてはこの症例の様に、どうしても上顎第一大臼歯を頬側に向け傾斜させ、下顎第一大臼歯を舌側傾斜させなければいけない症例があります。
上顎骨が小さめですから、モンソンカーブを平らにしたら、上顎大臼歯の頬側根が骨からはみ出したと思います。ですから、上顎の大臼歯を無理やり正直させる必要はありません。これで良いのです。

開始前の笑顔の写真がありませんので、開始前の正面の写真と動的治療終了時の笑顔です。
列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。
歯列矯正をすることで虫歯、歯周病のリスクが高まります。歯根吸収、歯肉の裂開、歯肉の退縮、ブラックトライアングルの出現の可能性があります。
治療期間が予定より長引くことがあります。動的治療終了時の歯列は永久に保持されるものではなく、経年的に多少なりの変化があります。