文献を読む『Bennett・Mclaughlin矯正治療メカニクスの基本』
その他いくつか興味を引くことが書いてありました。特に興味を引いたのはアーチフォームに関してです。
IAFとワイヤーシークエンス
レベリングアライニングには016”,019”x025”のHANT(heat activated Ni-Ti)ワイヤーを使い。アーチフォームは016”はテーパードタイプのみ019"x025"はテーパードタイプ、オーボイドタイプ、スクエアータイプの3種類用意しておくと書いてありました。016を使用したらアーチフォームに合わせ3種から選択し使用する。数か月後、下顎のデンタルアーチにシートワックスを咬合面から押し当てブラケットの咬合面側ウイングを印記させる。それをコピー機でコピーを取り、咬合面ウイングを連ねたアーチフォーム作図し下顎のIAF(individual arch form)とする。上顎のIAFは下顎のIAFから大臼歯部で左右各3㎜拡大したものとする。これをカルテに挟んでおいて,IAFに合わせてワイヤーを曲げる。
ワイヤーはIAFに合わせた014",016",018"020"ss(stainless steal)ワイヤーを順次グレードを上げて使用する。020”の後に019”x025“ssワイヤーをワーキングワイヤーとして空隙閉鎖に使用する。
以上が本に書いてあったワイヤーのアーチフォームとワイヤーシークエンスです。IAFと称して個人のアーチフォームを制作する理由は私が常日頃思っていたことと一致していました。
IAF作成の理由
この本ではIAF作成の理由を以下の通りに述べています。つまり、個人の顎骨の形態は個人差がある。従ってアーチフォームはその顎骨の形態が反映されるべきである。具体的に言うと下顎骨の歯槽突起基底部の形態に類似した下顎の個別アイデアルアーチフォームを作成しそれを基に上顎のアイデアルアーチをを作成すべきである。
私もずっとアーチフォームは個別に症例によって変えていくべきだと思っていました。ならばその為にはどうしたらよいか下顎の歯槽突起基底部に類似したアーチフォームをどのようにして決定するか、15年程前から私も考えました。Stage1終了の模型を咬合面を削ってそこらからアーチフォームを作ろうか?などと考えましたが思いつくものはどれも煩雑で、臨床には使えるものではありませんでした。ワイヤーシークエンス歯どうするか?いろいろ考え考えあぐねいて結局頓挫しました。ところがこの本では簡単にそれをやってのけています。そして良い結果を出しています。
使わせてもらいます。大変良い本です。
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