インプラントする場合の歯科医院選び。抜く必要のない歯を抜歯してインプラント
抜歯の必要のない歯を抜歯してインプラントを入れようとする歯科医が存在します。歯医者選びにはくれぐれもご注意ください。と、いうお話です。
前書き
同業者として残念でなりません。抜歯の必要のない歯を抜歯してインプラントを入れようとする歯医者がいました。患者さんからセカンドオピニオンを求められ、その恐ろしい事実が発覚しました。以下そのお話です。
セカンドオピニオンを求められる。
1年ほど前の話です。ある若い女性からインプラントの相談をしたいと受診の予約が入りました。電話では次のように言っていました。定期健診で通院中の歯科医院の先生から、ひびが入っていいるから、抜歯してインプラントにするといわれたので,診て欲しい。
下のデンタルX線写真はその患者の初診時のものです。
抜歯と言われた歯は口腔内を診ても異常はなく、問診でもこの10年症状が出たことがないと言っていました。デンタルX線写真でも異常は認められませんでした。よって、患者には現時点で抜歯の必要はないと説明して終わりました。患者さんはもちろん喜んでおられました。
またしてもセカンドオピニオンを求められる。
この話はこれでは終わらず。後日談があります。
1年程して、今度はこの女性の父親からインプラントのセカンドオピニオンが欲しいということで受診の予約が入りました。下顎左側6欠損で左側5番と左側7番を支台歯としたブリッジが入っていたのですが、ブリッジが取れて、7番を抜歯してインプラントが必要と言われたので本当に抜かなければいけないのか?といった質問がありました。
上は、初診時のデンタルx線写真です。左下7番は白い横線が入っています。白い横線は現像時に誤って傷をつけてしまったものです。根尖に透過像が確認できます。レントゲン写真だけでもすぐに抜歯する必要はないと判断されます。患者が言うには、この歯は10年以上何も症状はないそうです。口腔内を見ても、件の歯には異常は認められませんでした。よって、左下7番は根の治療をして、残し、後に症状が出たり。根尖の透過像が大きくなるようならその時考えましょう。すぐに抜歯の必要はありません。と患者に説明をしました。
患者さんに通院中の歯科医院に関し伺うと、医院名と、そこにはCT撮影装置があるとおしえてくださいました。
以上の話から想像できること
歯医者の数は全国で68000件以上あります。コンビニは55000件です。コンビニより歯科医院の数が10000件も多いのです.
そうすると、歯科医院の中には経営が厳しいところもあると想像されます。ct撮影装置は1000万以上します。月の支払いが大変なのでしょう。だから問題の歯科医院では抜く必要のない歯を抜いてインプラントにしないといけないと言っているのでしょう。でも、そんなことしていたら、患者が他院へセカンドオピニオンを求めます。そこで、歯科医師ががインプラントをしたいから「抜歯してインプラントだ」と、いっていると患者に知れます。知られたら、患者は必ず他の人に言います。他人に知れることで、その結果、経営がさらに苦しくなります。当然CT撮影装置の支払いもさらに苦しくなります。
医療の主体は患者です。治療は患者の都合でするものです。自分の都合で抜歯してインプラントを埋入する、といった行為は医療の本筋から外れます。
患者さんは医院名を教えてくれたので、その医院のHPを見てみました。驚いたことにHPは3年以上も更新していませんでした。CT撮影装置の支払いがキツイならば、患者さんに来てくれるように努力すべきで、HPに自院の取り組みを載せて、情報発信することは最低限必要だと思います。ですがそれすらやっていません。やるべきことをやらないで、抜歯の必要のない歯を抜いてインプラントをいれようとする考えは経営の基本から大きく外れたことになります。
歯科医院選びのポイント
歯科医院選びは本当に注意しなければいかない時代になっています。歯科医院選びの際は、特に過剰設備投資をしている歯科医院には注意が必要です。歯科医院のHPを梯子して、閲覧してください。CTがあるから安心、安全にインプラント手術ができると書いてあるHPが散見されます。例え、インプラント手術は安心、安全でも、そこの歯科医師が危険かも知れません。抜く必要のない歯を抜いてインプラントにしようとする医院かもしれません。
秋田県能代市と言う、日本海側の小都市で小さな歯科医院を経営する私は経営者として当然すべきこととして他の地域での歯科医院の違いを調べ、他院の情報を仕入れ、他院を研究してきました。すると、歯科医院経営は他の業種と違う経営をしている方が割と多いことに気づきました。
具体的に言うと,設備投資に関して他業種と違います。
更に具体的に言うと、CTやセレックなどの高額機械の購入に関してです。
インプラントの患者がとても多く、毎日インプラントをやっているような歯科医院がct撮影装置を購入すべきです。自費の補綴が多い歯科医院がセレックを購入するものです。ところが、そうではない歯科医院がちらほら目につきます。月に2,3本のインプラント患者しかいない医院がCTを購入しています。自費の補綴が1週間に1~2人の歯科医院でセレックを購入しています。
一般的にどの業種でも設備投資は、その設備を入手することで手に入れられる年間利益を計算します。そして、その利益で原価償却の期間内に払い終われるなら買います。CTの減価償却期間は7年です。1000万のctは税込みで1100万となります。7年で割ると年間142万の返済です。月々およそ12万です。更に月の管理費が1万円以上します。4,5年ごとに操作用PCをバージョンアップしないといけません,
それが30~40万です。
返済するだけではなく確実に利益を出さないとやっていけません。ですから、月に2,3本のインプラント手術しかない歯科医院なら一本当たりとても高額になります。高額になるなら患者さんは減るのが一般常識です。
これでやっていけるなら相当の資産がありますね。
まとめ
抜歯の必要のない歯を抜歯してインプラントを入れようとする歯科医が存在します。歯医者選びにはくれぐれもご注意ください。通院中の歯科医院で、抜歯してインプラント入れなければいけない。と言われ、疑問があるならば、他院でセカンドオピニオンを求めるべきです。
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