矯正症例93 AngleⅡ級叢生 秋田市、北秋田市、能代市、大館市
初診時12歳6か月、治療期間4年9か月、来院回数53回、抜歯部位:上顎左右4番下、顎左右5番。治療費総額97万円(税込み)
一般的に12歳辺りで歯列矯正を開始すると2年前後で終了します。ところがこの症例のように治療が長期化することがあります。
この症例における治療期間の長期化の原因は以下の3つです。
①,右下7番の萌出遅延
②,上顎歯列の遠心移動
以下は上記の説明です。
右下7番の萌出が遅く、しかも7番の親知らず化と言うのでしょうか?通常の下顎8番のように斜めに萌出してきました。そこでそれを起こすのに更に時間がかかりました。
②,上顎歯列の遠心移動
初診時の口腔内写真を見てわかる通り、大臼歯が2級の咬合関係です。通常は下顎の5番抜歯の場合、軽度のⅡ級関係は修復が可能です。この症例においても、7番が未萌出のまま6番まできれいにならべたのですが、が、上顎左右7番が放出すると上顎前突となってしまいました。そこで上顎左右大臼歯を遠心移動して大臼歯をⅠ級の咬合関係にしたのち、上顎の左右第二小臼歯間の歯列を遠心移動移動しました。
この移動様式は効率が悪く、現在は歯列全体を遠心移動する移動様式に変更しています。
歯列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。
1最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 2歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 3装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 4治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 5歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。ブラックトライアングルの出現があり得ます。
- 6ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- 7ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 8治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 9治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 10様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 11歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 12矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 13装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 14装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 15装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- 16あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 17治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 18矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
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