矯正症例95 ハーフリンガル症例AngleⅠ級上顎前突、舌側矯正、裏側矯正、北秋田市、大館市、能代市、秋田市
初診時22歳3か月、治療期間3年4か月、来院回数44回、抜歯部位:上下顎左右4番、治療費総額¥1,491,600円(税込み)
上の写真は治療途中、で上顎の抜歯空隙閉鎖に取り掛かり1か月経過したところです。
この症例は上下左右の8番(親知らず)が残っています。矯正する場合8番は必ずしも抜歯するものではなくこの症例の様に残せる場合もあります。残せる症例はこの症例の様に上下左右8番が完全に萌出した場合に限ります。ですから実際のところそのような8番は非常に少なくほとんどの方は8番抜歯になります。
ガミースマイルが改善しています。ですが、残念ながら初診時の笑顔の写真を撮っていませんでした。前後の比較ができません。終了時の笑顔の写真だけ出します。初診時は笑うと上顎の歯茎が見えていました。初診時の笑ったときの写真を撮り忘れていたのは大いに反省しています。
そこで最近新たに始まった症例は全て初診時に笑った写真を撮っています。もう少しするとガミースマイルを治した前後の比較写真をご覧頂けるようになります。
この症例並びに過去の舌側矯正の症例を見てお判り頂けるともいます。舌側矯正は表の矯正と比べ仕上がりに遜色ありません。と言うより、むしろ表の矯正よりきれいに仕上がりより理想に近いかみ合わせができます。治療期間も表の矯正と比べ大差ありません。これから矯正を始めようと考えている人は注意してください。『裏側の矯正をお勧めしない。』『裏側の矯正はうまくいかない。』と説明する歯科医師は誤っています。情報のアップデートが行われていません。古い情報を信じているのです。およそ15年ほど前に舌側矯正の技術革新が起こり、それ以降急速に新技術が開発されています。
当院では舌側矯正をお勧めします。繰り返しになりますが、表の矯正よりきれいに仕上がりより理想に近い咬合になるからです。チェアータイムが表の矯正より長いことと料金が高くなるといった2点だけが表の矯正に劣るだけです。
以下は歯科関係者向きの内容です。
この治療で手こずったのは抜歯空隙の閉鎖を急ぎ過ぎたからでしょうか?垂直的ボーイングエフェクトが惹起され上顎前歯が下がり過ぎたことがありました。抜歯空隙の閉鎖を017"x025"β-Tiに3の遠心にT-Loopを曲げたワイヤーを使いアクティブエンドバックしたのですがLOOPの開きの程度の加減が難しく、少し大きく開いた時があってそのまま様子を見たら、切歯が下がって前歯のトルク不足となりました。その問題を解決するために、上顎正中部に歯列矯正用アンカースクリューを植立しそこから上顎左右中切歯に装着したボタンへパーワーチェーンをかけて上方へ牽引し、下がった前歯を根尖方向へ向け圧下しました。
動的治療終了時の正面観では前歯の圧下に使用したアンカースクリューが粘膜に埋もれているのが見えます。後ほど撤去します。
この症例から学習したこと
抜歯空隙の閉鎖に於いてT-Loop付きのワイヤーを使う場合エンドバックの量の調整が難しく、この症例の様にボーイングエフェクトを起こしかねないので6近心にフックを付けてアクティブタイバックにした方がT-LOOPの開き具合を調整できます。面倒でもワイヤーを外しフックを除去して再び装着すべきでした。垂直的ボーイングエフェクトを回避するためにT-loopを用いたループメカニクスを選んだのに起こしてしまいました。他の症例でも同じことが起きています。(loopのアクチベイションが大きすぎたか?)そこで抜歯空隙閉鎖の他の方法として効率的スライディングメカニクスを検討した結果、口蓋正中のハブステーションにビートルを使用したスライディングメカニクスが候補に挙がりました。現在、臨床に使用し始めたところです。
歯列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。
1最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 2歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 3装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 4治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 5歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。ブラックトライアングルの出現があり得ます。
- 6ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- 7ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 8治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 9治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 10様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 11歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 12矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 13装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 14装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 15装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- 16あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 17治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 18矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
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