矯正症例76 Angle classⅡdiv1 上顎前突 過蓋咬合 下顎3本切歯症例
初診時14歳3か月
抜歯部位:下顎左側2番上顎左右側4番、上顎左右7番
使用法:マルチブラケット法
治療期間:3年8か月
来院回数:49回
治療費総額88万(税別)
この症例の問題点
初診時の写真で判るように酷い過蓋咬合で下顎切歯が上顎の口蓋側歯肉に当たっており潰瘍ができていました。下顎右側2番が先天性欠如で3本でした。上顎左側5番の歯冠幅径が標準よりやや小さめでした。
治療過程
始めに上顎左右4番を除き上顎に装置を装着し、ある程度biteopeningが進んで下顎前歯部に装置を装着できるようになってから下顎に装置を装着しました。ブラケットシステムはOPA-Kを使用しました。
その後上顎左右4番抜歯、下顎左側2番を抜歯し通常通り矯正を進みました。左右側犬歯間のtooth size ratioをmean±SD以内に合わせる為下顎左右犬歯間をIPRしました。
治療開始から2年せずに動的治療終了の手前まで治療が進行したのですが、上顎の左右側8番が抜歯できない部位に萌出待機しておりました。そこで7番を抜歯し8番の萌出完了後8番を並べるのに時間を費やしました。
日常の臨床では使用に耐えない短根歯の8番をしばしば見かけますが、幸運なことにこの患者の上顎左右8番は比較的歯根がしっかりとしたものでした。
治療結果
上顎右側5番が標準より小さめなので抜歯空隙が2mmほど残りました。また上顎左右中切歯の唇側の歯面の形態が左右で違い切縁そろいませんでした。以上の2点は患者固有の問題であり、歯列矯正単独では解決できない問題です。その点を除けば良好な仕上がりです。
歯列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。
歯列矯正をすることで虫歯、歯周病のリスクが高まります。歯根吸収、歯肉の裂開、歯肉の退縮、ブラックトライアングルの出現の可能性があります。
治療期間が予定より長引くことがあります。動的治療終了時の歯列は永久に保持されるものではなく、経年的に多少なりの変化があります。
装置を除去する際に、補綴物の破損、エナメル質に微小なヒビが入る場合があります。
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