All on ４を希望する患者さん。骨が少ない。Allon4お勧めしない。
先日もallon４を希望する患者さんが来院しました。
無歯顎のインプラント治療において、allon4は少ない本数で安くインプラントができる、というのがキャッチコピーです。が、それは必要最小限度の本数でインプラント治療を行うという意味です。そんな治療怖くて私は患者さんにできません。
患者さんも以下の例えをよく考えてください。
もし、家を建てる時に相談した建築設計士が『必要最小限度の柱の本数で安く仕上げます』という提案と『耐震構造を強化して柱を余分に入れましょう』という提案をされた場合どちらを選択するか？
必要最小限度の柱の本数で家を建てる人はいない筈です。
必要最小限度のインプラント本数で無歯顎のインプラント治療をするなら安く仕上がると思っている患者さんが多いのですが、実はそれは間違っています。実は結構値が張ります。安くても210万（税別）ぐらいだと思います。170万円（税別）と言っている医院がありますが、その金額で終わると良いですね。追加で請求されないと良いですね。
All0N4はインプラントを埋入したその日のうちに上部構造が入るので、その日のうちにインプラントでお食事ができます。ですから大変魅力的に思えるでしょうが、そのあとが心配です。インプラントが1本ダメになった時どうなるか？
14歯の補綴をするなら余裕をもって8本ぐらいが安心です。左右7番を欠損のまま12歯の補綴をするならば7本が安心です。
4本で支える場合と8本で支える場合の違いは誰でもわかる筈です。
家を建てるのに4本の柱で安く仕上げる場合、しかも一日でできます。
方や、
8本の柱で家を建てます。日数は少しかかりますが、丈夫です。
どちらを選びますか？
上のパノラマX線写真は1２年経過の症例です。インプラントにまったく問題ありません。上顎正中部に切歯管嚢胞がありました。それを避けてインプラントを埋入してあります。上顎の費用は230万円（税別）下顎は125万円（税別）でした。
上顎のインプラントの上部構造は左右臼歯部と前歯部それぞれ独立しています。3ピースに分かれています。３分割されることで何かトラブルがあった場合対応が容易です。トラブルとは上部構造の不具合、最悪はインプラントの脱落または撤去です。その場合該当部位の上部構造を外すことがあっても残りの2ピースがでしっかり噛めますからお食事も不自由しません。
これがallon4の様に1ピースの上部構造の場合上部構造を外して修理の場合は仮の上部構造を装着するからまだしも、1本インプラントが脱落したり、周囲炎で撤去した場合、残り３本だけで食事することになります。その場合の危険性は容易に想像できる筈です。
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