インプラントトラブルの防止、隣在歯の抜歯、能代市、北秋田市、大館市
インプラントの寿命を延ばすためにはなにをすればよいのでしょうか?
咬合のチェック。
歯周病の予防、管理。
欠損補綴(新たな欠損には義歯以外の補綴処置を施す)
上記が主な手段です。が、
今回は抜歯の必要のあるインプラントの隣在歯の抜歯を遅らせると、インプラントの耐用年数を縮めるというお話です。実はそのような例が当院では何本かあります。インプラント治療を受けた患者さんが割と陥りやすい自己管理の落とし穴と言えます。
保存不可能なインプラントの隣在歯の抜歯が遅れた。
写真はインプラントの隣在歯が破折したので抜歯したところです。右上3番がインプラントで隣在歯の右上2番が歯根破折ですぐに抜歯する必要があったのですが、患者さんが抜歯を先延ばししました。その間に炎症を起こし腫れた状態で一週間経過し、当院へ再来院し抜歯しました。。
抜歯したところに隣のインプラントのネジ山が見えます。炎症によりインプラント近心の骨が溶けてしまいました。インプラントを支えている骨は遠心の骨となります。
このようになると3番インプラントの近心の骨がどこまで回復するかが、3番インプラントの耐用年数に直接関係します。骨はある程度回復しますが、インプラントの表面が汚染されていないことを祈っています。汚染された部位には骨の再生が起こらないからです。ですから汚染していても汚染部位は少なくあって欲しいです。できるだけ多く骨が回復してインプラントの耐用年数が伸びて欲しいです。
新たな欠損
左上2番、1番もインプラントを計画していますが。2番のインプラント埋入時に、同部位の骨造成の必要があります。歯牙欠損部位の左上1番は幸いなことに右上1番が存在するので歯槽骨がたっぷりあります。ですから左上2番欠損部位の骨の再生もある程度は期待できます。
骨造成が必要な左上2番ですが、上顎頬側の骨造成はやらずに済むならしない方が良いのです。骨造成しても必ずしも成功するとは限らないからです。患者が造成部位に決して手を触れないという協力が必要となるからです。患者が触って骨造成が上手く行かない危険があるからです。
まとめ
今回の症例はインプラントトラブル未遂(未然)の事故です。事故の原因は上顎左側2番の歯根が割れた事です。が、突き詰めると上顎左側2番欠損に対してブリッジを装着して欠損補綴をしたことに起因する。と言えます。ブリッジの耐用年数が7年半~8年と報告のある論文が多数あることから、欠損補綴としてブリッジがを用いると、短い年数で歯を失うと歯科医師は知っています。そして日常臨床でもブリッジが原因で歯を失っている患者に遭遇します。
左上1番の欠損に対してブリッジではなくインプラントで補綴してあれば左上2番は残っていた可能性は高くなります。
今回、この症例においてもブリッジを患者に勧められない理由を再確認できました。
保存不可能な歯は早く抜歯すべきです。抜歯を遅らせると骨が少なくなり、抜歯された歯の隣在歯(隣在インプラント)は支える骨が減るのでその歯(インプラント)の寿命が縮みます。
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