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矯正症例97 上顎右側側切歯に先天性欠如を伴う AngleⅠ級叢生、過蓋咬合、秋田市、北秋田市、大館市、能代市

年 齢14歳
性 別 男性
治療費985,600円(税込み)
治療期間
2年10か月
治療内容の詳細抜歯部位:上顎右側2番、下顎左右4番、マルチブラケット法による全顎矯正、保定:ベッグタイプリテーナー
矯正症例97 上顎右側側切歯に先天性欠如を伴う AngleⅠ級叢生、過蓋咬合、秋田市、北秋田市、大館市、能代市
矯正症例97 上顎右側側切歯に先天性欠如を伴う AngleⅠ級叢生、過蓋咬合、秋田市、北秋田市、大館市、能代市

そこそこ難しい症例です。この症例の特徴を以下に挙げます。

①前歯部過蓋咬合、
②上顎右側側切歯が先天性欠如、
③上顎左側側切歯が栓状歯、
大臼歯は左側がⅠ級関係ですが右側は2級関係で咬頭対咬頭の咬合関係です。

①~④について解説します。
①前歯部過蓋咬合
この特徴の内、特に深刻な問題点は①の前歯部の過蓋咬合です。上の前歯が下の前歯に覆いかぶさるようなかみ合わせで、初診時に下の前歯が上の歯茎に当たっていました。
 あと数年すると上の前歯部口蓋側の歯肉に下の前歯が食い込み食事が辛くなります。更にそれから数年すると症状が更に悪化し、上顎前歯部口蓋側歯肉に潰瘍ができ食事が困難になります。
 重度の前歯部過蓋咬合である方々は大多数が下の前歯は上の歯に隠れて見えないからそのままで良いと思っています。ですがそれは間違っています。 確実に先述のような経過をたどります。
 下の前歯が上の口蓋側歯茎に食い込み食事が辛くなってから歯科を受診すると、矯正を得意とする歯科医師なら歯列矯正を勧めます。歯列矯正が得意でない歯科医師は下の前歯を削って「これで痛くないでしょ!」といいます。削った場合1年しないうちに下の歯が上の歯茎に当たるようになってまた痛くなります。そしてまた削られます。それが数回繰り返され、しまいには下顎前歯が抜歯になります。


②③上顎右側が先天性欠如で上顎左側側切歯が栓歯

 栓状歯でも栓状の程度が酷くない場合ならば近遠心にレジンをビルドアップ(写真参照)して側切歯の形態を回復して、側切歯として使う場合もあります。ですが、この症例の場合右側側切歯が欠如しているので右側側切歯を抜歯して左右犬歯を側切歯に見立て、左右第一小臼歯を犬歯と見立て歯を配列しました。

 この症例のように先天的に歯がないことで見た目の歯並びが悪くなった方が時々来院します。その方々にお伝えしたいのは、セラミック矯正と名乗る、削って被せる治し方は止めてください。削って被せることで歯の寿命は確実に短くなります。第一選択は歯列矯正です。歯列矯正をすることで確実に歯の寿命が延びます。

大臼歯は左側がⅠ級関係ですが右側はⅡ級関係で咬頭対咬頭の咬合関係です。大臼歯の咬合関係は原則左右同じです。例外が無いわけではありませんが、この症例では上顎左側側切歯が栓状歯なので、その歯を抜歯して左右大臼歯を同じかみ合わせ(Ⅰ級)にしました。


 
 

 

歯列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。

1最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。

  1. 2歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  2. 3装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  3. 4治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  4. 5歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。ブラックトライアングルの出現があり得ます。
  5. 6ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  6. 7ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  7. 8治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  8. 9治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  9. 10様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  10. 11歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  11. 12矯正装置を誤飲する可能性があります。
  12. 13装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  13. 14装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  14. 15装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  15. 16あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  16. 17治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  17. 18矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

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