矯正症例100 AngleⅠ級叢生、能代市、北秋田市、秋田市、大館市
年 齢 | 25歳 |
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治療費 | 1,078,000円(税込み) |
治療期間 | 2年10か月 |
治療内容の詳細 | 抜歯部位:上下顎左右4番、TADS併用のマルチブラケット法による歯列矯正 |
上下で正中が一致しませんが、どうしても合いません。犬歯は1級の咬合関係なのに合わないのです。このような症例もまれにあります。また上顎左側5番近心に抜歯空隙が少し残ります。これもこの症例に於いては仕方がないことで5番の咬合関係は良好なのです。咬合は良好なのですが歯が少し小さいことが原因で空隙が残りました。
ただこの症例に於いてはこの後ですね。1週間後の口腔内を診てみたら、正中のずれが少なくなっていました。もう少し時間が経過すれば更に良くなる可能性があります。
この症例から解ること、
動的治療終了時の状態、動的治療終了時の治療結果は歯の大きさ、歯の形、歯の位置が大いに関係します。患者固有の生物学的条件により100%理想的な状態までどうしても到達できないことがあります。
この事実を言い換えると、治療結果が患者固有の条件に左右されるということです。ですから歯列矯正により良好な咬み合わせを得るには、歯が平均的(理想的)形と大きさである必要があります。第一大臼歯の位置も左右対称で骨格的なずれの少ない症例であることが望ましいと言えます
標準から大きくずれた患者固有の条件を越えて治療するとなると、それは標準的な手法、手技とは別のものを選択する必要があります。歯牙の形態が標準から大きくずれているなら許される範囲以内迄形態修正すべきで場合によっては補綴処置が必要になります。大きすぎる歯冠に対してはこれも形態修正に準じた処置が必要になります。小さすぎる歯に対してもレジンによるビルドアップや補綴などの処置が必要となります。骨格的なずれに於いてはTADを併用した諸法と外科手術の検討もあり得ます。
矯正症例100症例を終えて
HPの症例提示から続いている矯正の症例提示が今回で100症例目となりました。本来ならばもっと早く100症例目に到達していた筈なのですが、初診の写真が紛失していたり、提示できないものがそこそこありました。そんなわけで遅れました。
100症例目が矯正の限界を知らしめる症例であるのも偶然とは思えない、教訓めいたものを感じます。理想的な咬合へ持っていこうと思い矯正をやっているのですが、歯の形が悪い、舌癖を治そうとMFTを行っても患者が舌癖を治そうとしない。等、歯列矯正の進行を阻害する又は終了後の歯列の安定を阻害する患者それぞれ固有の条件、悪習癖で理想的な咬合へたどり着けない症例が存在します。
どこで治療の見切りをつけるか判断の基準が難しいところがあります。それでも大まかな基準をお話しすると、歯の形が修正できるならば治療の初期に修正した上で治療を行います。舌癖があれば舌癖持ちの殆ど全てにおいて治療が長引く傾向があります。MFTを行う時間が治療の他に余分にかかるだけでなく、舌癖が治療の進行を遅延させます。
ですから舌癖が原因で前歯部の咬合が1歯対2歯の咬合が無理だと悟った時点で前歯はそこそこで終了とし、側方歯群の咬合だけを仕上げて終わる方針に治療方針を変更します。MFTを指導しても患者がやる気がないかできないのですから、前歯部は理想まで持っていけません。
歯列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。
1最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 2歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 3装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 4治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 5歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。ブラックトライアングルの出現があり得ます。
- 6ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- 7ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 8治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 9治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 10様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 11歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 12矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 13装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 14装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 15装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- 16あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 17治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 18矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
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