矯正治療中の親知らずの抜歯
矯正専門医院で矯正をすると、抜歯、虫歯の治療は他院へ紹介されます。ところがそのことを知らずに矯正専門医で歯列矯正をする患者さんがいます。当院では歯列矯正の患者さんでも親知らずの抜歯、虫歯の治療もします。何故そうするかの説明です。
写真は当院で矯正治療している、ある方のパノラマX線写真です。以前他院で歯列矯正をしており、当院で2度目の歯列矯正を始めました。既に下顎左右5番が無く、上顎は左右4番が抜歯してありました。そして、上顎、下顎とも左右側の抜歯空閑日は閉鎖しており、著しい上顎前突でした。下顎は左右8番を抜歯しないと左下2番が並ばないので、下顎左右8番の抜歯が必要でした。
ところが、下顎管に接しているので当初、口腔外科専門医の在籍している医師会病院、大学病院等の医療機関を紹介しようと思っていたのですが、考えを改め当院で抜くことにしました。
考えを改めた理由は娘の話を聞いたからです。その話によると職場の同僚が矯正をするために職場近くの矯正専門医を受診した際、そこの矯正医から「この歯とこの歯を抜いてきてください。それから開始です。」と紹介状を持たされたそうです。その同僚曰く「面倒は他院へ押し付けて自分の所だけおいしいところ取りしている」
その後患者へ聞き取り調査をして判明した事があります。
矯正専門医も知らないことですが、虫歯の治療や抜歯の為に他院を紹介すると、日本では、紹介元の矯正専門医は、面倒なことを他院へお願いして自分だけおいしいところをやる,自己都合の優先する虫のいい歯医者であると捉える患者が結構います。
患者さんとしては一件で済ませたいと思っている方が沢山いました。
そこで、当院は矯正専門歯科医院と差別化を図るために可能な限り親知らずは当院で抜歯することにしたのです。
上のパノラマx線写真は矯正治療中の患者の物です。下顎感の蛇行と、歯槽硬線の薄線化から下顎左右8番が下顎管に接しているのが判ります。
上のパノラマx線写真は下顎左右8番の抜歯を終えた後に撮影したものです。白線に写る下顎管が8番部位で一部消失していることから下顎左右の8番が下顎管に触れていたのが判ります。
歯列矯正はアメリカから輸入されています。その際テクニックと一緒にアメリカの歯科医療制度の影響を受けてしました。
アメリカの歯科医院では、補綴専門医、歯周病専門医、根幹治療専門医、歯列矯正専門医、顎顔面口腔外科医、小児歯科医と専門に分かれています。医院も専門医院が存在します。
そうすると、虫歯の治療で通院しても根幹治療を専門医へ紹介され、根幹治療が終わると補綴専門医へ紹介される事態になります。
虫歯の治療で抜髄から補綴までするのは日本では一軒の歯科医院で間に合います。ところがアメリカでは、先に述べた通り抜髄から補綴までのの治療に限らず一軒の歯科医院で治療が済まず何件もの歯科医院へ通院しなければならないこが普通です。
アメリカで歯列矯正をした場合、同様に抜歯は口腔外科医へ紹介されます。虫歯の治療も他院へ紹介されます。
日本でも矯正専門医で矯正を始めた場合、矯正以外の治療は他院を紹介されます。
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